2015年3月に電気事業法改正が閣議決定され、公共事業とされてきた電気・ガスなどのエネルギー産業において、供給や料金設定の自由化が図られようとしています。一方、こうした自由化・市場化の影で、電気・ガスなどの料金を経済的困難のため滞納したケースで、電気・ガスの供給差し止めをどうするのかについて議論は進みません。
2013年3月に「孤立死と社会的排除にどう立ち向かうか」シンポジウムでは、そのきっかけとなった2012年冬の札幌での姉妹死亡(姉が病死、障害を持つ妹が電気差し止めにより凍死)、さいたま市での一家3人死亡(餓死・凍死を含むとされる)を取り上げ、ライフライン差し止めによる生命危機に対して公共事業が負うべき責任についても取り上げました。
エネルギー自由化が進むアメリカにおいてすら、ライフラインの差し止めを規制する法律を持つ州が数多くあることはあまり知られていないようです。そのうちウィスコンシン州では、料金滞納によるライフライン供給差し止めを規制する法律が1974年から制定されています。日本でも同様の議論を起こす際の資料としてウィスコンシン州の関連当局からその経緯と現在の法律の内容について資料の提供を受けることができました。この問題に関心のあるかたがたに広くお知らせするため、ここに全文を掲示いたします。
キーワード: ライフライン 差し止め 経済的困難